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概要

news_no.100

2020年(令和2年)1月1日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第100号(13)1.保育所保育指針の施行と改定 「保育所保育指針」は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準・第35条を基に定められ保育の内容及びこれに関連する運営を定めたものです。これまで4回の改定が行われています。 全国の公私立保育所は保育指針を踏まえて創意工夫を図り、機能と質の向上に努めることが責務になっています。2.病児保育所の指針は? 1991年9月に全国病児保育協議会(「当協議会」と略称)が発足し、現在加盟施設は500施設を越え、社会にも広く理解されるようになりました。当協議会は全国研究大会を毎年開催し、種々のシンポジウムや講習会を通して職員の資質向上に努めています。 しかし“病児保育の内容は?何を計画しどのように運用・評価するのか?”等を考えてみますと基準にすべき公的資料が何もないことに気づきます。病児保育は医師、保育士、看護師の協働事業ですが、当協議会の公的資料は「定款」のみです。第3条に“この法人は、子どもの健康と成長・発達を守るため、病児保育事業の健全な発展、向上を期し…”との表記がありますが、病児保育事業の定義も具体的な運用方法も何一つ記載がありません。3.病児保育所保育看護指針の策定提案 このような現状に鑑み、「病児保育所保育看護指針」の策定を提案します。これは本事業の発展と社会貢献を図るために喫緊の課題です。多くの困難が予測されますが、それをブレークして行くことが当協議会の責務です。4.具体的な方策(1)策定委員会の設立と委員の選抜?病児保育は医師、保育士、看護師の三者が関わる協働事業ですので、バランスよく委員を選抜し、策定委員会を構成する、?医学、保育学、看護学を俯瞰した協働作業になるので、識見豊かで、構想力に優れた委員を選抜する。自薦、他薦いずれも可とする。(2)審議の進め方①基本となる「保育所保育指針」を読解・討議し、骨格を抽出する。②これに病児保育に関連する医学、看護学を厚く肉付し、全体像を構想する。③指針案を作成、討議・修正して理事会、施設長会議に提出し承認を得る。令和元年、病児保育所保育看護指針を策定しよう!佐藤 勇武こどもデイケアプリムラ目の病児保育となる「病児保育にわかあめ」を、企業主導型保育園であるかいせい保育園とともにあらたに開設しました。 かいせい保育園では、園児が登園後に発熱した場合、希望に応じてそのまま病児保育でお預かりするシステムとなっています。診察は開設主体である小児科の医師が行います。かいせい保育園の入園を希望している保護者の多くは、このシステムに魅力を感じて選んだと話されます。出勤後に保育園や幼稚園からの呼び出しに不安を抱えながら仕事に向かわれる保護者は少なくありません。通常は保育園からお子さんの発熱などの連絡があれば、職場を一時的に抜け出して保育園へお迎えに行き、小児科受診をして病児保育へ入室しなければなりません。また、体調の改善がみられても「また熱が上がるかもしれない」という不安から通常保育に戻るタイミングをなやまれる保護者もいます。しかし保育園と病児保育が同じ施設内にあれば、その悩みは解消されます。体調に応じて保育園から病児保育へ移動した場合も、同じ施設内ですので普段から接している看護師や保育士が看護することとなり、お子さんにはもちろん保護者にとっても大きな安心になると考えます。女性の就労率はここ数年で明らかに上昇傾向にあります。そんな女性躍進の未来に必要なのは、病児保育一体型の保育園ではないかと考えます。