ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

news_no.100

2020年(令和2年)1月1日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第100号(5) 平成3年、全国病児保育協議会の発足時、その目的は病児保育施設の実態調査でした。それ以前から病気の時に子どもを預かるという施設は、極めて僅かに、全国に散らばっていましたが、共通の施設基準や公金給付などはなく、半ば自主的、慈善的な事業として行っていました。しかし病児保育という名のもとに、子どもや保護者にとって安全で安心な保育をするのであれば、本事業を福祉事業と捉え、実施施設に対してきちんとした施設基準を嫁し、そのかわり交付金が給付される事業にしなければならないという考えが高まっていました。そのような時、帆足英一先生を中心とした小児有病児ケアに関する研究班が、病児保育のニーズや施設の運営状態を調査するにあたり、当時すでに病児保育を運営していた14施設が結集して全国病児保育協議会が設立され、その調査研究の受け皿になったとされています。そしてその研究報告が厚労省に提出され、病児保育に安全な施設基準や安定した運営基盤を設けることの礎になりました。それら多くの先人たちの努力により、現在、病児保育事業所数は2500(うち協議会加盟数680)を超え、厚労省病児保育実施要綱による施設基準の設定や助成金給付の更新がなされています。このように病児保育協議会において、調査研究の活動は最も歴史があり、病児保育の発展を牽引してきたと思っています。その後、協議会内には様々な委員会が生まれ、それぞれ活発な活動をしていますが、調査研究委員会もその一つで、僕は6年以上担当させていただいており、大きな責任を感じています。これからの少子・高齢化社会において、病児保育は必要性や貢献性が高い事業であることを明らかにすることは、皆様の病児保育施設の安全で安定した運営に繋がると考えています。そのために少しでもお役に立ちたいを思っていますので、今後とも皆さまのご協力をお願いいたします。委員長荒井 宏治あらいこどもクリニック 病児保育室「きりん」調査研究委員会統計的に示されることが期待されます。また、これまでの研究大会での発表や「病児保育研究」に寄せられた論文から、健常の児で構成される一般の保育所に比べ、病児保育室では預かり児童間での罹患頻度が異なる可能性が示されています。今後、こういったエビデンスを積み重ねることによって、日本独自のシステムである「病児保育」での感染症管理のガイドラインが作られると期待しています。 病児保育施設の増加に伴い、研究大会だけではなく、地域での病児保育担当者に対する研修機会の必要性が増してきていると思います。感染症対策委員会としても、こういった研修事業に積極的に協力してゆきたいと思っています。委員会の構成員は鹿児島から青森まで広く全国におりますので、支部活動や各自治体実施の研修会にも協力が可能です。研修委員会同様、感染症対策委員会も地域での研修支援を行ってゆきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。