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概要

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(8)第100号 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 2020年(令和2年)1月1日委員長  米倉 順孝 保育に関わる仕事をしている私たちは、日常の業務の中でリスクマネジメントを行い、重大事故を起こさないように努力する必要があります。子ども達にとっても、現場で働くスタッフにとっても、安全で安心な保育室を作り上げることは、最終的に質の高い保育を提供することに繋がります。 協議会では、病児・病後児保育室でどのようなインシデントやアクシデントが起こりえるか、ということを分析するためにmimsの開発・導入を行いました。現在約700例の事例が集積され、これらを54のケースにまとめ、2019年8月に「事例から考える安全対策ハンドブック」を出版しました。これは、日頃から事例の報告にご協力頂いている皆様のおかげであり、この課題に取り組んできたことを形にすることで、委員会としての責任をひとつ果たすことができたと思います。今後もmimsに報告された事例を検討し、皆様にフィードバックしていきたいと思います。 当委員会は、今年度「インシデント管理委員会」から「安全対策委員会」に名称変更しました。今までは、病児保育室でのインシデントの集積・分析が主な活動でしたが、今後は少し幅を広げ、具体的には重大事故発生時の対応や危機対応(不審者対策・防災対策等)などの、課題にも取り組んでいく予定です。特に近年の日本では、地震や台風、豪雨等、各地で大きな被害を引き起こす災害が、毎年のよう安全対策委員会大名よねくら小児科クリニック ベビートットセンター倫理委員会の抱負委員長  木野  稔倫理委員会 「倫理とは何か」と問われると、辞書には「人として守りおこなうべき道」とありますが、協議会として考えるべきことには、研究や実践報告上の倫理的配慮があります。そして、研究倫理には研究対象者の人権擁護と研究者自身の倫理意識の涵養が必要であり、さらに倫理的配慮とは何か、倫理的配慮をするとは何をどのようにすればよいのか、事例研究のあり方にまで及びます。昨年の第29回全国病児保育研究大会in岩手において、倫理委員会主催のセミナーを初めて開催しました。その時に、上記の倫理とは何かを一緒に考え、事例研究の具体的方法や倫理審査の受審方法まで講義を受けることができました。つまるところは、倫理的配慮を行うことで、質の向上と日常業務の効率化が保障されること、そして研究の質や論文の質が向上するのです。病児保育の意義をエビデンスとして集積し、小児医療や保育関係者さらには行政・一般社会に訴えようというのが、大川会長が強調されていることです。これまで、倫理委員会の活動は倫理審査を受け付けるという姿勢が主でしたが、第30回東京大会でもセミナーを引き続いて開催するつもりです。受講証を発行しますので、病児保育専門士の更新ポイントにもなります。病児保育専門士の皆さまと一緒に、病児保育における倫理的配慮の特徴を考えることができればうれしいです。もちろんのことですが、施設長はじめ全てのスタッフの方々が、倫理セミナーや関連報告、書籍に関心を持っていただけるように願っています。中野こども病院 アリス病児保育室