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概要

news_no.102

2020年(令和2年)6月15日 第102号(1)2020年(令和2年)6月15日第102号〒160-8306東京都新宿区西新宿5-25-11-2F ㈱日本小児医事出版社内一般社団法人全国病児保育協議会ホームページhttps://www.byoujihoiku.net/ FAX.03-5388-5193一般社団法人全国病児保育協議会事務局一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース大 川 洋 二(大川こども&内科クリニック)それは新聞の2面の片隅にひっそり掲載されていた。中国武漢市での原因不明の新型肺炎の流行。2020年の1月初めの報道である。ほどなくして武漢市の市場が閉鎖され、動物からの感染が疑われたが、定かではない。その後原因病原体が分かった。新型コロナウイルスである。従来からの4種類にSARSコロナウイルス、MERSコロナウイルスに7種類目として追加された。SARSCov2と命名され、疾患名はCOVID-19となった。 このウイルスは交通が至便な現代にあって、中国、アジアにとどまらず全世界に速やかに広がった。日本では豪華クルーズ船からのウイルスはうまく封じ込めたが、日本を席巻したのは、皮肉にも中国から欧州を経た欧州系の変異株のようだ。5月20日現在日本での発症者は1万7071人、死亡者は786人である。全世界では発症者は500万人、死亡者40万人に迫る。流行のピークは過ぎた。しかし、第2波、第3波への警戒も怠ることはできない。 このウイルス感染に対する対策ではっきりしているのは徹底した隔離対策である。そして密閉、密集、密接の3つの密を避けることである。都道府県を越えての交通も制限された。その結果多くの企画、コンサート、講演等が中止となった。学術集会もその中にある。ここに辛い決断が潜んでいた。 第30回全国病児保育研究大会は延期します。皆様に大きなご不便、ご迷惑をおかけすることになりました。9月の研究大会は開催できるかもしれません。しかしリスクを背負っての開催計画は立てられませんでした。多くの病児保育施設や保育所、医療関係施設ではコロナウイルスの影響から脱して、経営を立て直すには時間が必要です。よりリスクを軽減するために2021年1月16日、17日の開催といたします。皆様のご理解をお願いします。参加登録の一時中止と、その後の再開、一般演題再募集は6月15日を目途としております。お知らせしている特別講演、教育講演、シンポジウム等はそのまま繰り延べて行う予定ですが、一部に変更があるかもしれません。最新のお知らせは研究大会HPをご覧ください。また31回大会との間隔は6か月と半分となります。それぞれの大会が成功裏に開催されるよう協力していきたいと思います。 病児保育に携わる皆様はCOVID-19の流行に際して大変なご苦労をされていると思います。協議会として2月25日に感染症対策委員会に病児保育施設としての対応策を諮問しました。翌26日に受け入れ基準原案は厚労省子ども家庭局に報告、いくつかの討議を経て、3月4日に協議会HPに新型コロナウイルス流行下での病児保育室受け入れ基準案として公開いたしました。 対応は4段階の受け入れ基準です。地域での流行状況と、各自治体の考え、施設の状況により選択は異なることになります。選択に当たっては感染を過度に恐れ、受け入れ条件を厳しくすれば、病児の保育される権利を奪い、病児数の低下は交付金の査定につながります。また状況を無視して受け入れ拡大を図れば、施設がクラスターの温床になるかもしれません。結果的に協議会加盟施設では比較的冷静な対応がなされたようです。病児保育施設の対応に関する詳細は感染症対策委員会からの報告を待ちたいと思います。 預かる病児が少ないかもしれません。やれることが少なくなっているかもしれません。しかし家庭でストレスを感じて過ごす子どもがあれば、また育児に悩む保護者がいれば手を差し伸べてあげてください。皆様は病児の状態把握や対応法と保育に関する知識と経験がある専門家なのですから。協議会のHPには研修委員会からのアドバイスもあります。私の考えも動画として掲載されています。病児保育協議会は皆様とともにあります。困難な状況であればあるほど、一緒に歩みましょう。そうです。転んでもタダで起きるものか! 最後にCOVID19に罹患し、病に倒れた方々に心よりお見舞いと哀悼の意を表します。新型コロナウイルス感染症の流行と病児保育第30回病児保育研究大会延期一般社団法人 全国病児保育協議会 会長  大川 洋二大川こども内科クリニック OCFC 病児保育室うさぎのママ