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概要

news_no.102

2020年(令和2年)6月15日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第102号(3)新型コロナウイルス感染症の流行に伴う危機管理の考え方と対応安全対策委員会安全対策委員会 委員長 米倉 順孝大名よねくら小児科クリニック ベビートットセンター 安全対策委員会では、今年の研究大会において危機管理に関する講演を予定していました。そのような中での新型コロナウイルス感染症の流行は、危機管理を考える大きな機会となり、この考え方と対応を作成しました。地域や施設によって問題点も多様であり、具体的な内容を打ち出すことは難しかったため、基本的な内容となっています。今回の提案を土台にして、各施設の状況に合わせた対応を考えて頂ければ幸いです。1.事前準備(1)感染対策について●利用者を預かる際には、家族内感染者がいないことを必ず確認してください。●症状が軽くても、新型コロナウイルスの感染が否定できないことに留意し、飛沫感染対策や接触感染対策を行ってください。(2)施設の体制について●施設内で感染者が発生した場合、その日に出勤していない職員も含めて、速やかに職員全員で情報を共有する必要があるので、職員の緊急連絡網を作成しておきます。●誰が濃厚接触者の対象になるか、事後に分かるように、利用者が使用した部屋や保育担当者を記録しておきます。●出勤できない職員が発生した場合を想定して、勤務体制をシミュレーションしておきます。●施設長が感染した場合を想定して代理の責任者を選定し、発生時や発生後の対応方針を、文書等で全職員と共有しておきます。(3)発生時の対応と情報公開について●感染者発生時の対応(一時閉室や規制の必要性等)について、自治体と事前に協議しておきます。●必要な情報は公開するのが原則です。正しい情報の公開は風評被害を防ぎます。公開内容に関しては、施設単独で判断せず、保健所や自治体と事前に協議しておきます。●利用者からの問い合わせに対しては、対応する役割の分担や説明内容を、事前に施設内で話し合っておきます。2.感染者発生時の対応(1)初期対応●保健所の指導には速やかに従い、自治体の担当部署に報告します。●一時閉室や利用規制を指示された場合は、速やかに従う必要があります。(2)施設の体制について●施設長の感染が確認された場合は、事後の対応を代理の責任者が行います。●緊急連絡網を利用して、従業員の健康状態を随時確認します。(3)情報公開について●公開の内容については、保健所及び自治体と協議して決定します。●利用者からの問い合わせは、情報が錯綜するのを防ぐために窓口を一本化し、不安や質問に真摯に対応し、判明している事実を丁寧に説明します。3.その他●感染した職員やその家族は心理的なダメージも大きいと考えられ、心のケアに配慮する必要があります。●新型コロナウイルス感染症の流行の影響により、職員の休業を要した場合や、利用者の減少による運営資金の問題が生じた場合は、国や自治体から様々な支援が行われています。社会保険労務士等と相談のうえ、利用できる助成金等を確認してください。