ブックタイトルnews_no.105

概要

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2021年（令和３年）１月１日 第105号（1）2021年（令和３年）１月１日第105号〒160－8306東京都新宿区西新宿５－25－11－２F ㈱日本小児医事出版社内一般社団法人全国病児保育協議会ホームページhttps：//www.byoujihoiku.net/ FAX.03－5388－5193一般社団法人全国病児保育協議会事務局一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース大 川 洋 二（大川こども＆内科クリニック）一般社団法人 全国病児保育協議会 会長　　大川　洋二大川こども内科クリニック OCFC 病児保育室うさぎのママ　新年、明けましておめでとうございます。　　昨年は新型コロナウイルス、SARS-CoV ２による感染症COVID-19の流行に振り回された１年でした。そして今年になってもその流行は継続しております。　私たちはいつSARS-CoV ２を克服し、共存する時代を迎えるのでしょうか。昨年１月初めの報道によると中国武漢市から始まった原因不明の疾患は新しいコロナウイルスによる感染症でした。その病原性は従来のコロナウイルスを上回り、インフルエンザの10倍から100倍以上の殺傷力を持っていました。医療崩壊を起こした欧州や南米では死亡率は10%を超えた時期もありました。日本でも４月の段階では６％前後ありましたが、その後ウイルスの解析や症例の蓄積から対処法は向上し、死亡率は低下し現在は２%以下になっております。さらにこの10分の１以下にならなければこのウイルスとの共存にはならないでしょう。レムデシビルをはじめ各種薬剤は効果的でもありますが、特効薬としては程遠く、安全で効果的なワクチンの開発が待たれます。いくつか有望なワクチン候補が上がってきています。この原稿が活字となっているころには実現していることを期待します。　この流行の中、協議会としては地域の流行状況にあった病児保育受け入れ対策を３月に発表しました。緊急事態宣言下では病児保育の活動についてメッセージを送り、孤立しがちなスタッフを励ましました。解除後の病児保育受け入れに関するチェックポイントの作成、COVID-19の分かり易い解説書と対応法を公開しました（感染症対策委員会）。病児保育の経営はCOVID-19の影響を直接受け、危機的な状況となりました。６月にはその窮状を実態調査の結果をもって、加藤勝信厚労大臣や自見はなこ政務官、渡辺由美子子ども家庭局長に提出しました。その後７月には交付金の算定方法の特例が認められております。また安全対策委員会、研修委員会とも緊急アピールを出し、緊急事態発生時の対応や自宅で孤立するかもしれない児童への対策法を公開しております。これらの試みの積み重ねにより、COVID-19の流行による緊急事態下でも安全と安心を確保できる制度として存続することが可能となりました。病児保育協議会の参加施設、スタッフが一丸となって対応した結果です。この事業の意味を理解し、その運営に日夜努力している皆様の力があれば、どのような事態があっても発展していくことと思います。今回のCOVID-19の流行のお陰で明らかとなった病児保育の事業としての脆弱性があります。それは利用人数という実績に基づく交付金の在り方です。これでは今回のような新しい感染症が起こり、その感染防御が定まらず、再び利用者が極端に減少したときには同じ問題が起こります。一方、健康な幼児を預かる保育施設ではこのような問題は起こりません。実際の利用者数の増減にかかわらず、定員(在籍者)に応じた交付金が決まるからです。今後は病児保育も保育所と横並びの事業として認めていただけなければならないでしょう。　１月早々には横浜で第30回全国病児保育研究大会を開催します。この開催にあたって一番大切な事は参加する保育士さんはじめスタッフの皆様を感染から守ることです。そのため、教育講演、ワークショップを含め殆どの研修プログラム、一般演題はWeb開催となりました。戸惑われることも多いと思いますが、繰り返し視聴できる利点もあります。若い皆さんにはご利用しやすいかもしれません。是非積極的にご参加ください。会場での実施はCOVID-19関連、シンポジウムを優先しました。施設長をはじめ保育士、看護師の皆様のご参加をお待ちしております。　実施プログラムが少ない中で、保育士さん看護師さんには新たな負担が多いかと思います。施設長の皆様には自施設の病児保育の質を高めるためにスタッフへの援助をお願いします。　今年は丑年です。牛はゆっくり、しかし確実に進みます。焦ることなく、一つずつ克服して前進しましょう。新たな研修スタイルで皆様の病児保育の質を高めてください。　病児保育の質は貴方で決まる。2021年 新春　病児保育の質は貴方できまる