ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

news_no.105

(10)第105号 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 2021年(令和3年)1月1日委員長  米倉 順孝 「想定外」という言葉があります。あらかじめ想定していなかった状況や出来事のことです。この言葉は、東日本大震災において福島第一発電所の原子力災害が発生した際に使用されたため、クローズアップされました。そして、新型コロナウイルスの流行は、まさにその「想定外」という言葉が皆様の頭をよぎったことと思います。 さて、果たして本当に想定外なのでしょうか。2009年には新型インフルエンザが流行しましたし、日本に直接的な影響はありませんでしたが、世界的には2003年にSARS、2012年にMERSの流行が確認されています。さらに日本では、地震、豪雨、台風など、多数の人命に関わる災害が毎年のように、想定外とは言えない頻度で発生しています。 このような危機が発生した際に、その影響を最小限にするとともに、いち早く危機状態からの脱出・回復を図ることを危機管理(CrisisManagement)と言います。危機の発生はいつ起きてもおかしくないという前提に立って、危機が発生したときに何を準備しておけば、その危機による影響を最小化でき早期回復ができるかを、施設内で検討しておく必要があります。 子ども達を相手にする職業である皆様は、突発的な事態には比較的強いのではないかと思っています。なぜなら、予想もできない動きや考えをする子ども達と毎日接しているため、柔軟性と判断力は日々養われているはずですし、子ども達のことを第一に考えて行動できる人たちは、緊急事態安全対策委員会大名よねくら小児科クリニック ベビートットセンター危機を乗り越え成長するために大きく変化しました。ニュースの企画にあたっては例年の内容を臨機に変更し新型コロナに対応する特集を組み、各施設でどうやって子ども達とスタッフを感染から守るか、協議会が如何に国や自治体に働きかけを行うのか、その時点で可能な限りの情報を集め、会員の皆様と共有できるよう努めました。大きな学術集会は軒並み中止・延期が決まり、広報ブースは出展取り消しを余儀なくされました。対面でアピールする術を失ったのです。また、毎年の研究大会で続けてきた『広報の部屋』も、第30回記念大会では協議会ニュース100号の歴史を皆様に見ていただけるよう企画していましたが、Web開催が中心となる開催方式となったため断念するに至っています。 そして今年もなお、新しい生活様式、新しい社会活動のあり方の模索は続くでしょう。協議会も従来の広報のあり方のままではいられません。 協議会ニュースは、全国に散らばり開設形態もさまざまな施設をつなぎ情報と病児保育の意義を共有するために在ります。一堂に会する機会が減ったなら、紙面に皆様の顔が見えるコンテンツを増やしてもいいでしょう。「うちの施設を紹介したい」「私達はこんな取り組みをしています」「こんな工夫はどうですか」など、積極的に声をお寄せください。 さらに当委員会はホームページやメールマガジン、Facebookなど、対面せずとも情報を伝達できるツールを管理しています。これをもっとうまく活用して、会員の皆様だけでなく会員外の方々にも協議会をアピールし、架け橋とすることができるのではないかと思っています。