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概要

news_no.106

(12)第106号 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 2021年(令和3年)4月1日 病児保育が日本全体でさらに広がり、より良く活用されるためには、一箇所の拠点だけでなく地域や組織における連携が必要であると考えられます。一方、連携にも様々な側面があります。今回の研究大会では、5つセクション4 地域連携報告者/座長:小島 博之(東小岩わんぱくクリニック 東小岩わんぱく病児保育室) コロナ禍での病児保育室の運営上の問題や工夫についての4つの演題です。 C1は、新型コロナ感染拡大の状況に応じて、全国病児保育協議会の病児保育受け入れ基準に沿って運営を行った結果、スタッフの混乱や保護者からのクレームもなく運営できたとのことですが、協議会の迅速な対応に対し、本来ならば国や行政が対応を示すべきであり、病児保育に対する意識の低さが感じられたと結んでいます。 C 2からC 4は、入室病児が激減し本来の職務が十分にできないスタッフが、いかに病児保育室と利用家族のために有益な時間を過ごすことができるかについてアイデアを出し合い、工夫をした報告です。 C 2ではマスク不足の状況下で手作りマスクを作製し、クリニックの来院患者さん以外にも、近隣の保育園にも配布、特に子供用のマスクは品薄で喜ばれたとのこと、地元のメディアにも取り上げられたことが報告されました。またマスク装着率についても報告されました。 C 3では、コロナ禍で人と人とのかかわりができなくなったことを契機に、病児保育室の役割を果たすために、感染対策を強化した保育看護の様子や、家庭での子育てを支援する目的で親子でほっとできる動画を配信し、また電話相談や予約制でリモート相談を行った試みが紹介されました。 C 4も病児保育室からの発信の報告です。登録利用者にお子さんの様子、不安や悩み事がないかなどを電話で聞くことで、コミュニケーションを図りました。平均約5分程度のお電話でも保護者の安心感につながり、病児保育との信頼も増したと考えられます。 コロナ禍で、病児保育室の利用者が少ない時期を、病児保育室としてまたスタッフがどう過ごすかについて自然発生的に出た前向きなアイデアは、スタッフのモチベーションを保ち、また利用者と病児保育室の絆を深めることにも役立つものと考えられました。コロナ流行下でのWEB開催だからこそ大変役に立った報告だったと思います。報告者/座長:時田 章史(クリニックばんびぃに 病児保育室チャイルドケアばんびぃに)セクション3 新型コロナ保育が安定して継続できるような委託料の設定が望まれる。 [B-2] 山辺看護師より、開設10年目の大学病院に併設された病児保育室の認知度や必要性に関する全職員対象のアンケート調査結果が、開設3年目の同様調査と比較し報告された。2130人のデータ解析で、認知度は67%から74%と高くなったが、20代の認知度は他の年代より10%以上低くなっていた。利用率は6%から12%、必要性を感じている人は82%から94%と増加した。以上より認知度、必要性とも上昇したが、若い世代に工夫した広報活動を行うことで, さらに認知度が高まることが期待され、病児保育室の存続に向けて積極的な広報が展開されそうである。 [B-3] 徳山さんからは、病児保育対象年齢児を養育している13人の保護者に行ったアンケート調査が報告された。対象の中で事前登録をしていない保護者に注目して、事前登録をしていない理由をカテゴリー分類して、そのうちの「心理面の不安」と「不確実性」について対応を検討していた。心理面の不安に対しては、施設内の画像を多く取り入れたwebやチラシを配る、「不確実性」に関しては、ICT(web予約システム)の活用などの対策が挙げられていた。