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概要

news_no.106

2021年(令和3年)4月1日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第106号(21) 近年、自然災害や新興感染症の流行など、病児・病後児保育室の運営を脅かす事態が毎年のように発生しています。そのような事態に備えて、施設として何を準備しておく必要があるかを考えておく必要があります。今年度の委員会セミナーでは、そのような背景もふまえ、危機管理にフォーカスをあてた講演を準備しました。 講演1は、「病児保育室でやっておくべき危機管理」と題して、危機管理教育研究所代表の国崎信江先生にご講演頂きました。国崎先生は、内閣府「防災スペシャリスト養成企画検討会」委員、東京都「震災復興検討会議」委員などを務められており、著書として「保育者のための防災ハンドブック」を執筆されるなど、防災や防犯、事故防止の専門家です。災害が発生した際に、実際に起こり得る状況をたくさんの映像を使ってご説明頂いたので、具体的にどのような対策をとるべきかを考えるヒントを得ることができたのではないでしょうか。また、日頃私達が見落としそうな事象に対するアドバイスもあり、非常にためになる講演だったと思います。 講演2は「保育施設における外傷に対する初期対応」と題して、委員内講師として医療法人保坂小児クリニック、枚方病児保育室くるみの保坂泰介先生にご講演頂きました。病児・病後児保育室で起こり得る、外傷に対する初期対応について解説頂きました。保坂先生は、整形外科医としての経歴もお持ちで、とても説得力のある内容だったと思います。 新型コロナウイルスの流行により研究大会の開催が危ぶまれる中、初めてのWEB講演という形で委員会セミナーを開催できた事は大きな意義があったと思います。大会実行委員会を始め、開催にご尽力された関係者の方々にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。安全対策委員会主催セミナー    演者:国崎 信江(危機管理教育研究所代表)       保坂 泰介(医療法人保坂小児クリニック・枚方病児保育室くるみ)報告者/座長:米倉 順孝(福岡中央病児デイケア ベビートットセンター)した。研究ステップのとしての疑問・気づきから、研究の概念計画を立てる際に倫理審査が必要なこと、そして結果をまとめて論文にするまでについて第1~6段階に分けてていねいにお教えいただきました。そして、倫理的配慮の実際についても具体的にお示しいただきました。不正行為など自分には関係ないと思っているかもしれませんが、研究は倫理を抜きには語ることができないのだと強調されました。病児保育に関わる、施設長および全スタッフに聞いていただきたい内容でした。病児保育研究の第11号(p34-41)にも詳細に総説論文をいただいていますので、是非ご熟読ください。すでに病児保育専門士の方、これから専門士を目指す方には、必ず一度は倫理的配慮について学んでほしいと思います。そしてたとえ事例報告、アンケート調査であったとしても、倫理審査を受けるということを原則にしてほしいと強調しておきます。