ブックタイトルnews_no.96

概要

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2019年（平成31年）１月１日 第96号（1）　2019年（ 平成31年）１月１日第96号〒160－8306東京都新宿区西新宿５－25－11－２F ㈱日本小児医事出版社内一般社団法人 全国病児保育協議会ホームページ http：//www.byoujihoiku.net/ FAX.03－5388－5193一般社団法人 全国病児保育協議会事務局　一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース大 川 洋 二（大川こども＆内科クリニック）一般社団法人 全国病児保育協議会 会長　　大川　洋二2019年新春日本の将来、病児保育の将来主役は貴方だ大川こども内科クリニック OCFC 病児保育室うさぎのママ　新年あけましておめでとうございます。今年の干支はイノシシ、亥年です。目的に向かって突進しますか。でも本当の亥の意味はじっとエネルギーを内にため込んでいる時期ということのようです。飛躍に備えてエネルギーを貯める、いい言葉ですね。病児保育も内にエネルギーをためながら、飛躍を継続していきます。　昨年の香川大会でのシンポジウムでは病児保育の未来についても活発な議論がありました。病児保育の大きなうねりは子ども中心の保育と、母子ともに幸せになるための愛着形成を促進し、子育てが負担にならないためへの動きとなって表れてきました。それが結果的には女性の就業率を上げ、男女共同参画への道につながることになります。女性が希望すれば希望しただけ活躍できる社会です。さらに日本が解決しなければならない喫緊の問題に少子化、人口減少があります。狭い国土にあった人口を現在の繁栄を維持、向上させながら整えることが大切です。国家の繁栄を維持したまま、その規模を縮小させ、コンパクトな効率の良い社会構造に変えることは、歴史上かつてなかったことです。おそらく我が国土には1億人を下回る程度の人口が適正であり、それ以上減らないことが繁栄の維持に必要なこととなるでしょう。そのためには特殊合計出生率を毎年少しずつ改善することが必須の条件となります。その条件を保証することが病児保育に課せられた使命でもあります。この未来に向けた病児保育の役割は家庭での保育力の増加、ハンデキャップ児を受け入れて、家庭の負担をなくし、さらに児の本来ある能力を最大限伸ばすことによって達成されるでしょう。虐待や人工中絶がなくなり、生まれてくるべき子供を誕生させ、子どもの本来持つ、生きる権利、守る権利、育つ権利、参加する権利を保障することです。結婚して子供を産み、育てることへの不安を解消し、子育てを行っている家庭を取り巻く全ての人々が育児に様々な形で参加する社会を作らなければなりません。子どもたちを社会全体で守り、育みましょう。日本の将来に希望をもたらすためにも病児保育の役割は重要であり、今後も多くの面で改善していく必要があります。　病児保育での改善を要する点は、経営の健全化、病児保育に携わる保育士への保障、病児保育に関するエビデンスづくりです。　昨年の８月に厚労省から病児保育について通達が出ました。交付金の金額が基礎分に加えて、原則改善分が全施設に交付されることになりました。通達の施行は2018年４月１日から開始することになっています。利用が少ないときには地域の保育施設等に感染症などの情報公開を行うことが条件となっていますが、詳細は決められておりません。病児保育施設それぞれの任意性が認められているようです。この交付金の増額によって、赤字施設の減少が期待されます。交付金の増額部分の一部を保育士等スタッフの待遇改善にも使っていただきたいと思います。このほか年間利用者が2,000人を超える施設への加算分に関する指針も明らかになりました。少しずつ病児保育を取り巻く環境が整備されているようです。経費については十分な処理をして、病児保育の健全な運営に努めてください。安易な処理は出費を低く見積もる結果となり、病児保育の運営に誤解を与えかねません。　　病児保育に携わる保育士さん、看護師さんそして指導に担う病児保育専門士の皆様、皆様の待遇改善に向けて協議会は今年も努力いたします。皆様は病児保育に従事していく上での問題点を見出し、原因を究明し、改善策を立案してください。それを研究大会に発表し、病児保育研究誌に投稿してください。皆様がエビデンスを確立する立役者なのです。　主役は貴方だ。