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概要

news_no.96

2019年(平成31年)1月1日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第96号(3)支え合う 7月の全国病児保育研究大会の保育園併設型の分科会で出会った広島県尾道市の看護師さんより手紙が届きました。そこには「一日目の弁当は、自分だけがこんなごちそうを食べてよいのだろうか。周りには、食べられない人たちがたくさんいることを思うと、涙がぽろぽろこぼれて食べられず、二日目は感激の涙で喉を通らず食べることができなかった」と記されていました。 尾道市は台風で大きな被害を受けた地域です。彼女はそこの公立保育所の看護師で病後児を担当しています。そして、分科会後の昼食懇談会で現在の状況を話してくれました。 被害からいち早く保育園を再開し地域の子ども達を受け入れたものの、水もガスも使えない状況なので給食は弁当持参です。弁当といっても、それぞれが家にある非常食やクッキーやせんべい等を持ち寄り、みんなで分け合いながら過ごしました。自分だけがごちそうを食べて申し訳ないという涙です。二日目は病後児保育を一人で取り組んでいて、相談する相手もなく悩みの中にいたところ、同じ悩みを持つ人達と話をすることがこんなにも気持ちの良いものだということを改めて感じることができた感激の涙でした。 全国病児保育協議会は人との出会いがあります。仲間がいる安心感が仕事を深めます。稼働率を求められると苦しくなることもありますが、地道な取り組みが仲間を増やし、利用者を増やします。彼女の保育所は来年度で閉所になり、認定こども園として民間が運営することになりました。彼女の願いは病後児保育が継続されることです。直接病後児を担当するのは1年のみになってしまいましたが、地道に丁寧に保育をやっていたので広島県に「病児・病後児保育連絡会」という形で実を結びました。私も彼女に出会えて本当に良かったと思っています。一般社団法人 全国病児保育協議会 副会長  髙橋 広美砂原保育園 病後児保育室「とまと」過ごす時間が限られます。反対に毎日子どもと一緒にいる母親は、その時間の長さでストレスがたまりやすくなります。子どもが病気になったら尚更です。ある時、3歳くらいの子どもが母親に強く叱られていました。よくある光景ですが、「生まれてまだ3年しか経っていないのにね」と私がつぶやくと、一緒にいた友人に「それは今のあなたには余裕があるからよ」と言われました。そうですね、母親には余裕がないのです。母親も「そんなに頑張らなくて大丈夫」の声が欲しい時があります。病児保育室での限られた時間であっても、子どもをたくさん抱っこし、子どもの愛らしさを母親に伝え、気持ちに対応することが両者の心の栄養になっていくものと考えます。私たち保育者が心にゆとりを持ち、たっぷりの愛情と優しさをもって、子どもたちそして母親たちの心の育ちを支えていきましょう。保育園型委員会では、病後児保育の受け入れ目安を協議会のホームページに掲載しております。是非、一度ご覧下さい。http://byoujihoiku.net/pdf/20181001_byougojihoikusitu_ukeire_meyasu.pdf