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概要

news_no.99

(10)第99号 2019年(令和元年)10月15日教 育 講 演 6一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 乳幼児の下痢と便秘は病児保育室においても、よく遭遇する消化器症状である。今回、小児消化器疾患の第一人者である米沢俊一先生にご講演いただいた。 乳幼児下痢の原因は消化吸収不良、感染性、アレルギー性、内分泌性、薬剤性、神経性などがある。病児保育室で問題となるのは感染性腸炎(病原性大腸菌、ノロ、ロタウイルスなど)である。園での流行があるか確認が大切である。ロタワクチンが始まってから感染者は減っているが、ワクチンを受けていても罹ることはあるが重症化を防ぐ意義は大きい。ノロは遺伝子変異が激しくワクチンは作れない。非感染性下痢症で抗菌薬により腸内細菌叢が破壊され菌交代現象がおこる下痢症がある。また、非感染性下痢症で食物蛋白誘発性下痢症がある。これはIgEの関与はないが特定の食物摂取により下痢症状が現れる。蕁麻疹はなく腸管だけの症状で体重減少があるので注意する。乳糖不耐症は日本人に多く酸臭のある下痢便で、感染性胃腸炎後の二次性におこることが多い。講師:米沢 俊一 先生(子どもは未来 もりおかこどもクリニック 院長)報告者/座長:村上 真子(村上こども医院 病児保育室きしゃぽっぽ)     下痢の治療は、脱水に対してOS-1などで経口補水療法を行う。少量ずつゆっくりと時間をかけて飲ませる。下痢で注意する症状は体重減少、尿量減少、嘔吐、血便、腹痛などである。母子手帳で体重増加曲線をみることは重要である。 便秘は機能性と器質性に分類される。圧倒的に多いのは慢性機能性便秘である。排便には腹筋、骨盤の筋肉、横隔膜が関与する。足をブラブラさせず、きちんと足底を床か台上につかせ、何かにつかまらせて排便を促す。日本人はS字結腸が長く便秘になりやすい。薬剤は1才未満ではラクツロース、ラキソベロン、マルツエキスなどを、1才以上では酸化マグネシウム、モビコール、ラキソベロンなどを投与する。5日以上の便秘、腹部膨満を伴うときは注意を要する。 以上、米沢先生の講演はとても分かりやすく、しかもアカデミックな内容で大変、勉強になるご講演であった。乳幼児の下痢と便秘について教 育 講 演 5 今回の学会において、唯一の歯科のセッションだったため、どれだけの人が集まって下さるか、少々、不安があったが、立ち席も出るほどの盛況で、まずは安心した。 講演は、歯の構造、しくみから、むし歯とは?その予防方法まで。 80枚のスライドを使って広範囲にお話しされた。 最近、テレビなどで、再石灰化の観点から、食べたらすぐに磨かない方がいいなどと言われているが、それは、間違いで、すぐに磨いた方が良いとお話しされたのが、印象的であった。 講演時間が40分と、若干、短いため、十分に話し尽くされなかったこともあるかと思う。時間内に質問時間は取れなかったため、講演後に多くの質問があったという。そ講師:森川 和政 先生(岩手医科大学歯学部 口腔保健育成学講座 小児歯科学・障害者歯科学分野)報告者/座長:深澤 範子(宮守歯科診療所)  の内容は、指しゃぶりの問題、反対咬合など不正咬合などの問題、とお聞きしました。今後は、もう少し、長く時間が取れればと思う次第です。子どもたちの歯と口のこと