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概要

news_no.99

(14)第99号 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 2019年(令和元年)10月15日一般演題C(ポスター) ポスター発表のうち、運営にかかわる12の演題の座長を務めさせていただきました。その中で特に印象に残った演題について感想を述べたいと思います。 まずは愛媛県松山市で7年間、病児保育事業を行っている天山(あまやま)病院小児科の発表です。病児保育の利用者は増加傾向にあり、平成28年以降は年間利用者が3000人を超えています。常勤の保育士が7名、常勤の看護師が2名とのこと。おそらく全国で10本に入る大規模な病児保育施設ではないでしょうか。人口約50万人の四国最大の都市(恥ずかしながらネットで知りました)松山市であれば当然のことだと納得しました。 続いて香川県高松市で8年間事業を行っている、へいわこどもクリニックの発表です。年間利用者数は1000人から1300人で、漸増傾向です。問題は受け入れ側の都合で「お断り」が年間200件前後あることです。常勤の保育士が3名、常勤の看護師が1名の体制です。が、「お断り」の理由は“保育士不足”とのことでした。“閑散期のことを考えると、常勤の保育士をむやみに増員できない”という判断は、経営する立場からは同意見です。 福島県郡山市にある「病児病後児保育室らびっと」からは22年間の利用状況の推移について発表がありま報告者/座長:関上  勇(関上こどもクリニック 病児保育室そらまめ)運  営 平成29年に保育室を3室から4室に増室しています倒しや延長、事前診察の簡略化、食事提供、お迎え型病児保育、保護者やその家族の支援、家庭看護の助言、育児支援、望ましい生活習慣を促す助言などを多岐にわたり、適切に行うことが求められています。連続利用についても、当院でもほんの数件ではありますが、実際に問題になり印象に残っている事例があります。これらは、その都市の人口動態や地域の習慣などが、私達が感じる保護者のニーズに違いを出させているのかもしれません。地元の保護者のニーズを分析する上で、今回のようにたくさんの地域からの報告を得ることができた有用な発表ばかりでした。 また、病児保育のニーズを的確に捉え、それを周知するための行動をもっと活発にしていくことが必要であると認識することができました。当病児保育ではホームページのみで、一切の広告を出していませんでしたが、インターネット時代は収集する情報が偏るとも言われています。そこで、インターネットを使わない広告が周知の一助となるかと考え、さっそく9月から国道沿いに看板広告を出す決意しました。いつか広告を出した後の動向について報告できるように準備していきます。 最後になりましたが、この度は、全国病児保育研究会大会という岩手県を代表する大きな会に実行委員会として参加させて頂く機会を与え頂きました。全国大会のような貴重な機会はそうは多くありません。本番までたくさんの会議に参加させて頂き、諸先輩方のご苦労を目の当たりにし、大変貴重な経験をさせて頂きましたことに心より感謝申し上げます。